第２回モーニングスター大賞に応募された3592作品から１次選考を通過した173作品。その中から、２次選考通過作品として20作品を選定いたしました。

　１次選考にあたっては、読者を喜ばせようとする意識が感じられる作品を優先して選定したと総評において申し上げました。
　２次選考では、そのギアをもう一段あげ、今の読者の共感を呼ぶ作品作りがされているか、に特に主眼をおいてて選定することとしました。

　優れたライトノベルには舞台、ストーリー、キャラクターが魅力にあふれていることが大切、と言われます。これらはもちろん大事なことでありますが、具体的にどのようなことであるのか、指し示すことが難しい要素でもあります。

　とりわけライトノベルというジャンルでは時として、読者の求めるものが流行によって変化していくものだからです。今まさに作品を読まんとしている読者たちは、どのような小説を望んでいるのか、２次選考を通過したのはその機微が読めている、と我々が感じた作品でした。

　独創的な設定やストーリー展開でありながら、違和感なく作品に入り込める、現代の読者にマッチした表現に感心させられたことも多々あります。

　一方で、実力のある書き手によって丁寧に緻密に作り上げられた良作でありながら、やや作品に入り込むための敷居が高く感じられ、残念ながら選考から漏れてしまった作品もあります。
　共感を呼ぶ作品作りという面に意識を向けていただくと、より多くの読者からの支持が得られるのではないでしょうか。

　すでに作品を刊行済みの作家様も多数応募いただいているとはいえ、大多数の応募者はこれからデビューを迎えようとする方たちです。文章や作品構成のテクニック的な面ももちろん大切な要素でありますが、本コンテストにおいては、読者へのまなざしが感じられるかどうか、特に注視して選考を行っています。

　最終審査までどうぞ引き続きよろしくお願いします。