新紀元社 / Shinkigensha

勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした 11

勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした 11

シリーズ名:モーニングスターブックス
巻数:11
著者:灯台
イラスト:おちゃう
定価:本体1,200円(税別)
四六 308ページ
ISBN 978-4-7753-1907-9
発行年月日:2021年05月19日
在庫:在庫あり

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本の紹介

この幸せな関係が…
いつまでも続くように

勇者召喚に巻き込まれ、異世界に召喚された宮間快人。悪友のような存在だったアリスの過去を知りふたりの関係は恋人へと変化した。そんなふたりの前に地球神エデンがまたしても現れ、困った言動を繰り広げる。そして、アルクレシア帝国のクリスからフラワーガーデンのチケットをもらった快人は、いつもお世話になっているお礼にと、イルネスを誘って出かけることに……。
「モーニングスター大賞」大賞受賞作、シリーズ第11巻!

「……また、こうして、一緒に出かけてくれますか?」
「勿論、いくらでも」
ああ、頬を撫でる海風も、耳に聞こえてくる波の音も、確かな温もりも……どれも、本当に心地いい。
アリスとのデート……一日の間にいろんなことがあった。
芸術広場でメギドさんの意外な一面を見て、慌てる可愛らしいアリスを見られた。恥ずかしさを感じながら昼食を食べさせ合って、ギャンブルで一勝負して……そしていまも、隣にアリスがいる。
本当に、デートが終わることに寂しさを感じるぐらい、とても、楽しかった。
「……カイトさん」
「うん?」
「……好きです」
「……俺も、アリスが好きだ」
互いに好きだと伝えあい……そして、ほとんど同時に足を止め、俺はアリスに、アリスは俺に視線を向けて見つめ合う。
「……カイトさん。えっと、ほら、私、そういうのはまだ早いって言いましたけど……」
「うん」
「で、でも、その、き、きき、キスくらいは……いいと、思うんです」
「……いいのか?」

「……」
「……前は対話って言ってましたね。今回はなんですか?」
「……」
しかし、エデンさんはアリスの質問に答えることなく無言で俺たちの方を見ている。
なんとなくいやな緊張感を実感しつつ、俺も恐る恐るエデンさんに話しかけてみることにした。
「……その、また、俺になにか用事ですか?」
「ええ、その通りですよ、愛しい我が子。貴方の言葉通り、母は貴方と再び会うために、一度元の世界に戻って体を再調整して帰ってきました」
「なんで私は無視して、カイトさんの質問には喰い気味に返答するんすかねぇ……」
「……」
「……カイトさん、コイツぶん殴っていいっすか?」
あまりにも俺とアリスで対応の差が露骨であり、アリスは引きつった笑みを浮かべる。
「はぁ、まったく。いま私は我が子と会話をしているのですよ。貴女の実力は認めていますが、いまは我が子ではない貴女に割く時間はありません。喚かず大人しくしていなさい」
「……よ~し、その喧嘩買いましょう。ぶっ飛ばしてやりますよ!」
「あ、アリス。落ち着いて……」
エデンさんの対応に、アリスは珍しくイラついているみたいで、本当にいまにも殴りかかりそうだった。

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