中国SF四天王のひとり、韓松(ハン・ソン/かんしょう)の長編SF。
人類が地上に住めなくなった未来、遺伝子工学によって創られた「水棲人」が生きる「紅い海」の世界を描いた、哲学的かつ挑戦的な作品。
第一部「我々の現在」、第二部「我々の過去」、第三部「我々の過去の過去」、第四部「我々の未来」の全四部、二十章からなる。
本書の監修者、立原透耶氏が劉慈欣氏の『三体』以外で「最も読みたい、訳したい長編」と推奨している。


【あらすじ】
第一部 我々の現在(林久之訳)
食糧の採取が困難になりつつある紅い海洋で生まれた水棲人・海星は、兄弟姉妹と離れ、ひとり食糧を求めて旅立つ。やがて、同族を殺して食糧とする集団に出会い、リーダー・屍蛇の死後、その跡を継ぐ。海星は伝説の海底城を目指すが、旅の果てに待つものは――。

第二部 我々の過去(上原かおり訳)
冒頭では、水棲人の祖先・漿木による創世神話が語られ、海洋の色が青から紅へと変わった理由が示される。以降、青い海、海底城、陸地の伝説、ロボット化した水棲人など、異なる水棲人たちの物語が章ごとに展開される。