新紀元社 / Shinkigensha

キスから始まる死亡フラグ!~寝台特急北斗星に揺られて~

キスから始まる死亡フラグ!~寝台特急北斗星に揺られて~

シリーズ名:モーニングスターブックス
著者:豊田 巧
イラスト:甘露 アメ
定価:本体1,200円(税別)
四六 314ページ
ISBN 978-4-7753-1905-5
発行年月日:2021年04月19日
在庫:在庫あり

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本の紹介

★きみとのキスで、殺されたい…!!
★鉄道ラノベの先駆者:豊田巧が綴る新境地のパニックホラーここに開幕!

悪天候の中、札幌駅を発車した國鉄寝台特急北斗星は、誰もいない無人駅で一時停車を余儀なくされる……。突如鳴り響く銃声、そして駅舎の向こうから逃げてくる少女の姿が。背後には猟銃を持った男が狂ったような表情で追いすがり、躊躇せずに発砲している。「俺があの子を助けに行きます!」 達也は、少女を助けるために夢中で吹雪のホームへと飛び出していく……。
國鉄寝台特急北斗星…緊急停車!! この列車には何かがイル!?

「ごっ、ご協力ありがとうございます。尚、このままでは二時間以上遅延すると思われますので、
特急料金については全額払い戻しさせていただく予定です」
「えっ、マジで⁉ お金貰えるんですか?」
北野さんは手帳をパラパラとめくりながら答える。
「上野まででしたら……。お一人様『一万二千二百四十円』を払い戻しさせていただく予定です」
「一万二千円は大きいよなっ!」
「そっ、そうですね……」
嬉しそうな千原に北野さんはどう答えていいか分からず、困った顔であいそ笑いした。
「それにしても……。なんか、凄く静かになったな」
通路に首を伸ばした千原は、前後をキョロキョロと見回す。
「ほとんどのお客さまが南千歳で下車されて、新千歳空港か札幌に向かわれましたので……」

「使っていないお部屋には、入っちゃダメなんじゃない?」
杏はそう言ったけど、優奈ちゃんはまったく気にせず強引に私の腕を引っ張った。
「急がないと……」
「あっ、ちょ、ちょっと!」
あまりにも力が強くって、杏は勢い余ってベッドへと転がった。
必死な表情の優奈ちゃんは急いで扉へ戻ると、中からパチンって鍵を閉める。
扉を背にした優奈ちゃんは、ジワリと目に涙を浮かべていた。
そして、次の瞬間、ベッドへ向かってポ~ンと飛び込んできた。
「杏ちゃん‼ 私を助けて!」

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